第八原理
一国の経済水準は、財・サービスの生産能力に依存している
生活水準の格差や変化のほとんどは、各国の生産性の相違によって説明される。
労働者が一時間あたりに生産する財・サービスの多い国においては、ほとんどの人間が高い生活水準を享受できる。
すなわち、一国の生産性の成長率は平均所得の成長率を決定する。
第九原理
政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する
貨幣供給量が増大すると、貨幣価値が下落する。
すなわち、貨幣供給量の増大はインフレーションを引き起こす。
最たる例は1920年代初期のドイツで、第一次世界大戦の賠償金の支払いに追われ、貨幣供給量を増大した結果、物価が一ヶ月ごとに三倍になっていたという。
第十原理
社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している
先述の通り、貨幣供給量増大による価格水準の上昇というのは明白であるが、短期的に見た場合ではやや異なる。
貨幣量増大の短期的効果として考えられるのは、
①支出を刺激し、財・サービスへの需要を増大させる
②高水準の需要によって企業は価格を引き上げるが、雇用を増やし財・サービスの生産増大を行う
③雇用の増加により、失業は減少する
という三点である。
つまり政府は政策を考える上で、貨幣供給量増大の影響である(短期的効果)失業減少と(長期的効果)インフレというふたつの効果のトレードオフに直面しているといえる。
どちらの影響も無視するととはできないので、為政者は常にこの狭間で頭を悩ませることになる。
以上、マンキュー入門経済学における経済学の十大原理。
本の中では、各原理について具体的事例をあげながら各章で解説してあります。
非常に面白い本ですので、経済学を学ぼうと思う方はぜひどうぞ。