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マンキュー入門経済学(第2版) (マンキュー経済学シリーズ)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2014-02-21


第八原理
一国の経済水準は、財・サービスの生産能力に依存している

生活水準の格差や変化のほとんどは、各国の生産性の相違によって説明される。
労働者が一時間あたりに生産する財・サービスの多い国においては、ほとんどの人間が高い生活水準を享受できる。
すなわち、一国の生産性の成長率は平均所得の成長率を決定する。

第九原理
政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する

貨幣供給量が増大すると、貨幣価値が下落する。
すなわち、貨幣供給量の増大はインフレーションを引き起こす。
最たる例は1920年代初期のドイツで、第一次世界大戦の賠償金の支払いに追われ、貨幣供給量を増大した結果、物価が一ヶ月ごとに三倍になっていたという。

第十原理
社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している 

先述の通り、貨幣供給量増大による価格水準の上昇というのは明白であるが、短期的に見た場合ではやや異なる。
貨幣量増大の短期的効果として考えられるのは、

①支出を刺激し、財・サービスへの需要を増大させる
②高水準の需要によって企業は価格を引き上げるが、雇用を増やし財・サービスの生産増大を行う
③雇用の増加により、失業は減少する

という三点である。
つまり政府は政策を考える上で、貨幣供給量増大の影響である(短期的効果)失業減少と(長期的効果)インフレというふたつの効果のトレードオフに直面しているといえる。
どちらの影響も無視するととはできないので、為政者は常にこの狭間で頭を悩ませることになる。



以上、マンキュー入門経済学における経済学の十大原理。
本の中では、各原理について具体的事例をあげながら各章で解説してあります。
非常に面白い本ですので、経済学を学ぼうと思う方はぜひどうぞ。

マンキュー入門経済学(第2版) (マンキュー経済学シリーズ)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2014-02-21

N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2014-02-21


前回
に引き続き、今回も同著で学んだ内容をご紹介します。

第五原理
交易(取引)はすべての人々をより豊かにする

貿易摩擦という言葉が示すように、交易を行うということは競争相手になりうることを意味しています。競争とは、いわば一方が勝ち、もう一方が負けることを意味しています。
にも関わらず、経済学では交易はすべての人々をより豊かにするといいます。
これは、なぜでしょうか。
交易のない世界では、人間はすべてのものを自給自足によって賄わなければなりません。しかし、交易を行うことによって、人間はそれぞれが得意分野に専門性を発揮し、より多くの財やサービスを利用することができるようになるのです。
ですから、交易を行う相手というのは、競争相手でありながら取引相手であるということを知っておく必要があります。孤立して暮らすより、交易して暮らすことの方が、はるかにメリットがあるのです。

第六原理
通常、市場は経済活動を組織する良策である

この原理は、一見すると意味がわからないかもしれませんが、市場経済における需要と供給のバランスのことを表しています。
需要すなわち買い手が欲しいと思うだけの財やサービスの量や価格は、供給すなわち売り手が提供しようと思うだけの財やサービスの量・価格とバランスがとれ、アダム・スミスのいう「見えざる手」によって導かれたように望ましい結果に到達するというものです。
価格による需要と供給のバランスが意図的に調整される場合よりも、市場経済によって価格が調整される場合の方が、社会全体の厚生を最大化する結果となるというのがポイントです。
これは、価格による需要と供給のバランスを中央集権的に支配しようとして失敗した数々の社会主義国の例を知れば、理解しやすいと思います。

第七原理
政府が市場のもたらす成果を改善できることもある

先に述べた市場経済における「見えざる手」の素晴らしさを知ると、ではなぜ政府が経済政策を打ち出すのかということが疑問になってきます。
これは、法や制度の面から理解できますが、市場経済にとって必要な法や制度の整備がなければ、市場経済は上手く働きません。
例えば、違法コピーが合法なら、誰もCDやDVDの販売を行わないでしょうし、そもそも音楽や映像作品を制作しなくなってしまいます。
もっと単純な事例でいえば、買い物客がカゴに入れた商品をそのまま持って出るようなことが許されたら、誰も商店を経営しようとはしないでしょう。
このような事例は、日常の常識になっていますが、政府による法整備があってはじめて守られている制度です。このようなルールが存在しているからこそ、市場経済は守られているわけですね。
それから、もうひとつ大事なことは、政府が意図的に市場経済に介入することにより調整されている事象が存在しているということです。
例えば、ガソリン税の導入や環境税の導入がその例です。
これらが設けられなければ、各企業は環境汚染も気にせずに、純粋に利益だけを求めて経済活動を推進することでしょう。市場経済は万能ではないので、このような問題に対しては政府が監視する必要があるのです。


マンキュー入門経済学(第2版) (マンキュー経済学シリーズ)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2014-02-21

 
以前の記事でも触れましたが、本書は経済学について非常にわかりやすく書かれた良書です。
中学校社会科の知識があれば、理解することができます。
しかし、そんな読みやすさでありながら、内容は非常に高度なもので、ハーバード大学やシカゴ大学でも使用されているという一冊です。
経済学をもう一度学びたい、まずは何か一冊読みたいという方にはオススメの一冊です。
最近は図解ものが人気ですが、このような専門書を一冊読むと、重みが違いますよ。 

最近は「マンキュー経済学」という本を読んでいます。

マンキュー入門経済学(第2版) (マンキュー経済学シリーズ)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2014-02-21



この本は、経済学の専門的な内容をわかりやすく解説している良書です。
私自身、読んでいてとてもわかりやすく、中学校の政治・経済の分野を復習しているような気分で読み進めています。
さて、この冒頭に、経済学の十大原理について書かれています。
本の内容としては、冒頭に経済学の十大原理を説明し、あとの章でその詳細について説明しているという作りになっていますので、十大原理について簡単にまとめてみたいと思います。
これを読んで気になった方は、ぜひ本を手に取ってみてください。

第一原理
人々はトレードオフに直面している

人間は何かを選ぶために何かを諦めなければいけません。
ダイエットにおける食事制限などがその例でしょうか。
好きなものを好きなだけ食べることと、ダイエットをして痩せることはたいていの場合両立できません。
人間は、何かを選択するときは常に、他の選択を諦めているのだといえます。

第二原理
あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である

先の例でいえば、ダイエットをする人というのは、好きなものを好きなだけ食べる以上の価値をダイエットに見出だしているということです。
例えば、ダイエットするために代用食やサプリメントを利用したり、トレーニングジムを利用したりすれば、ダイエットにかかる費用というのが発生します。ダイエットをする場合、この費用に対して得られる効果(便益)が大きくなければしようとは思いません。
と同時に、ダイエットによって諦めなければならない様々なことによって得られる便益よりも、ダイエットによって得られる便益が大きくないとやらないでしょう。
何かを得るために諦めたものを機会費用といいます。
ダイエットをする人は、ダイエットによる費用と便益だけでなく、その機会費用のことも天秤にかけて選択しているわけです。

第三原理
合理的な人々は限界原理について考える

限界原理というのは、少し難しい言葉のように聞こえますが、要は人間は白か黒かの両極端な選択肢よりも、もっと曖昧でグレーな選択に直面している場合が多いということです。
ダイエットの例を続けましょう。
先の例では、ダイエットをして健康的に痩せるか、好きなものを好きなだけ食べるかを天秤にかけましたが、おそらくここまで極端な人はいないでしょう。
一日一食は普通に食べるけど、あとは代用食…であるとか、何キロ痩せたら甘いものをひとつ食べてもよい…というように、人間は常に微調整ともいえる選択をしています。
このとき、ダイエットをしているなら、リバウンドするほどのカロリー摂取は望まないはずです。カロリー消費(あるいは摂取を我慢)するという費用とひきかえにして理想の体型という便益を得ているわけですから、その便益が得られなくては意味がありません。
このような状況で、先に述べた微調整ともいえる選択は、これ以上食べたらヤバい・これ以上運動をサボるとヤバいという費用の限界(限界的な費用)と、これ以上太るとヤバい・ここまでの体重増は許すという便益の限界(限界的な便益)の関係で導き出されるのです。
つまり、ダイエットをする人というのは、どれだけ痩せたいかということと、どれだけ食べたいかということの折り合いをつけて、運動量や食事量などを決定しているということです。

第四原理
人々は様々なインセンティブ(誘因)に反応する

人間が費用と便益のことを考えて意思決定するということは、そこには誘因(インセンティブ)が存在するということです。
先に挙げましたが、ダイエットにおいてカロリー摂取量・消費量が体重や体型と天秤にかけられているならば、体重が増えたり体型が変化すると、食事制限をしたり運動強度を強めたりするということです。
体重増加が誘因となり、食事制限を行うという選択が行われたわけです。
反対に、体重減少が起これば、それまでの食事制限を緩めることもあるかもしれません。
このように、インセンティブの変化は、人間の行動を変化させるのです。

さて、ここまで4つの原理についてまとめてみました。
本では様々な事例を取りあげて説明していますので、私のようなダイエットを例にした説明はありません。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ本を購入してみてください。
中学校の予備知識があれば、すんなり理解できる内容ばかりです。

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