コミュニケーションにおける非言語活動の重要性は色々なところで指摘されますが、私自身も日頃から気を付けるようにしています。
 自分が相手に話しかけるときもそうですが、それ以上に相手から話を聞くときのような「受け手」としての立場のときにこそ意識を働かせるようにしています。
 柔らかい笑みを浮かべた表情で聞くこともそうですが、相手の話が一段落するときにさりげなく目を合わせるというのも効果的です。
 目を合わせるという行為は、それだけで「共感している」「理解している」という認識を与えます。人の話は目を見て聞きなさいと言われるのはそのためです。
 ただし、じっと見つめているとかえって緊張を与えてしまいますので、適度に視線を外すことも大事です。話の要所で目を合わせておけば、あとはそれほど目が合わなくても大丈夫でしょう。
 逆に言えば、相手を否定したい場合は、話の要所要所で目をそらせればいいのです。
 ちなみに、要所で目を合わせるのだとしたら、その他の時間はどこを見ていればいいのかという話ですが、ある程度心理学を理解していれば相手の全体像を見て様々な情報を得られるようになります。しかし、それほど心理学を知らないという場合は、相手の胸元や肩の動きに注目することをオススメします。
 胸元や肩の動きから何を見るのかといえば、ズバリ呼吸のリズムです。
 相手の呼吸のリズムを見て、自分もそれに同調するようにすると、相手はさらに好印象を持つことでしょう。ただし、例えば興奮している相手を落ち着けたいときなどはこれは逆効果になります。あくまでも、普通に会話している状態で好感を持たれたい場合だと理解してください。
 それから、立っているときでも座っているときでも、相手に好印象を与えるにはつま先を相手の方に向けることです。これは、人間は興味を持っているものにつま先を向けるという心理学上の習性を利用したものです。
 つま先を向けることで、相手に興味を持っている、関心を払っているという印象を与えられます。
 それから、先に呼吸のリズムを合わせるという話を紹介しましたが、相手の動きに同調することは好感を得るポイントになります。
 あまり露骨にやると猿真似だと思われて不快に思われかねませんが、例えば相手が話しながら笑みを浮かべたらこちらも笑う、唇をなめたら自分も舐める…というように、さりげない仕草を真似るのです。
 姿勢や表情、動きを真似るのが簡単でやりやすいと思います。また、前述の呼吸のリズムを真似るというのもこれに当たります。
 このような同調はミラーリングと呼ばれるものですが、特に女性に対しては効果が大きいと言われています。

 このような形で、言葉によるコミュニケーション以外の部分を意識しながら相手と応対することにより、無意識下で好感を得ることができるのです。